新規事業や事業戦略を現職企業で日々考えています。
これまでも当ブログでは新規事業立案をするにあたって参考になった本を紹介したり、
実務として競合調査・分析の方法を紹介したりしてきました。
【新規事業成功への必読本!】新規事業立ち上げに関するおすすめ本まとめ – Don’t Think ACT!
競合調査・競合分析の方法 – Don’t Think ACT!
私自身、日々の仕事の中で新規事業、戦略について経営層やパートナー企業にプレゼンテーションをすることが多いのですが、
どうも上手くプレゼンができていない気がしておりました。
そこで、「プレゼンが上手くなるには、優れたプレゼンを見るべきだろう」という論理で、
IVS(Infinity Ventures Summit)というカンファレンスの中スタートアップ企業の登竜門とも呼ばれる「IVS Launch Pad」において
ベンチャー起業家が自身の事業アイデアをどのように投資家らにプレゼンしたのか?を見てみました。
実際にやってみると、思ったよりも勉強になることが多かったので、ブログ化した次第です。
IVS Launch Pad
こちらから過去のプレゼンテーションの一部を見ることができます。
Youtubeにその他の動画もアップされているので、良かったらそちらも参考にしてみてください。
優れたプレゼンの構成・共通する要素
まず、優れた事業計画・新規事業のプレゼンテーションの構成、共通する要素として、次の事柄が挙げられます。
①結論(何を提供するのか)
②現状の課題
③課題が発生する構造・原因
④解決策
⑤実績数値
⑥今後の展開・事業ポテンシャル
もちろんここに書いてない要素で必要な要素もありますが、
最低限、ここだけは外さないという点に絞っています。
では、1つずつ解説していきます。
具体的な事例として、自動ネイルプリントサービスのINAIL(アイネイル)を参考にしていきます。
自動ネイルプリントサービス「INAIL(アイネイル)」
結論(何を提供するのか)
自分が提供するサービスの説明。
ここでは詳細は説明せず、一言程度で留めます。
現状の課題
・必要に応じてデータも見せる
・課題があることに対して共感してもらう
が重要だと思います。
「自動ネイルプリントサービス・アイネイル」の具体例を見てみましょう。
ーーーーーーー
現在ネイルをする女性は3割のみ。残りの7割の女性はなぜネイルをしないのか?
その理由として
課題① 時間が長すぎる(2時間半以上かかる)
課題② コストが高すぎる(8000円もかかる)
の2つの大きな課題(不満)があります。
ーーーーーーー
という形で、
具体的な数値を踏まえて、現在の課題・不満について明確に宣言していますね。
そして、大事なことなことを言いますが、
この工程で「聞き手の共感」を得ることができないと、
その後のソリューションや事業展開などの話は全く聞いてもらえないので、
まずは「深い課題が存在しているんだよ!」ということの根拠となるロジックをとことん追求してください。
課題が発生する構造・原因
課題があることに共感した後は、「なぜその課題が存在するのか?」の原因を説明に入ります。
可能であればその業界構造の説明をするとより分かりやすいです。
先ほどのアイネイルの例で言えば、
ーーーーーーー
時間やコストがかかる原因は何なのか?
↓
その要因は「ネイリストの手書き」という工程にある。
手書きのためどうしてもサービス提供に時間がかかる
↓
時間がかかるため、人件費がサービス単価に上乗せされてしまう。
ーーーーーーー
という形で、なぜ先ほどあげた2つの課題が生まれているのか?
の根本原因について説明します。
解決策
根本原因を取り除く解決策、ソリューションについて話します。
解決策は一般的な事業計画プレゼンテーションでは必ずお持ちだと思うので、今回は割愛します。
プロダクト系の新規事業の場合は、だいたいここで動画などの映像やデモを見せて聞き手にイメージさせます。
ちなみに実際に事業計画を考える際には、
「そのソリューションで、根本原因を取り除き、課題が解決できるのか?」
という解決策の妥当性を検証したりします。
どこが凄いのか
・既存サービスと比較してどう凄いのか?を説明します
・加えて聞き手が懸念しそうな問題も無いという説明をします。
アイネイルの例ですと、
ーーーーーーーーー
・既存サービス:ネイリストによるネイル
・今回のサービス:機械による自動ネイル
のそれぞれの掛かる時間、品質、金額を見せることで、
品質はそこまで落とさずに、時間・コストが圧倒的に下がりました。
という説明をして、既存サービスより優れていることを説明します。
そして、ネイルといえば季節性や流行のデザインを取り入れていることが重要なのでそのあたりは大丈夫なのか?という不安を
・クラウド接続しており、配信元が流行や季節性をキャッチアップして、常に最新のネイルができる仕組み
であるという説明をします。
ーーーーーーーーー
実績数値
・実際に導入されています、ユーザーに使われていますという説明
アーリー投資の場合は別ですが、
近年はアイデアだけで実態のない事業計画には投資されづらくなっているみたいです。
そのため、実際にリリース済みのサービスで、すでにユーザーがいたり、導入されているという実績について話します。
アイネイルの例だと、
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・すでに導入されている
・導入美容院は初月で初期導入費を回収している
といった形で、既に実績をアピールして需要が確かなものであることを証明していますね。
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###今後の展開・事業ポテンシャル
・今後の展開を説明し、ポテンシャルが凄いことを説明する
アイネイルの例ですと、
ーーーーーーー
・今後、小型化を進めることで、サロン以外の場所にも設置してもらう
・日本のネイルは世界から評価が高いが、ネイリスト人材不足が深刻で世界展開しづらかった。しかし、ハードウェア・コンテンツビジネスなので輸出ができる
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という説明をすることで、将来的に巨大なビジネスになる可能性があるという説明をしていますね。
さいごに
プレゼンに関連するおすすめ書籍を紹介します。
重要なことなので、再度書きますが、
前半の「課題の共感」を得られるかが勝負だと思ってください。
ここを外すと、本当にその後の話が一切入ってきませんので。
以上です。
自分もまだまだ勉強中の身ですが、
ぜひ本記事を参考にして少しでもプレゼンスキル向上に役立てていただけたら幸いです。
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