コミュニティデザイン及びマーケティングの要点・設計ポイント

事業開発・企画
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コミュニティ設計・コミュニティマーケティングについて参考になった本・事例でもお伝えした通り、「コミュニティ設計」や「コミュニティマーケティング」の事例をまとめて、会社にレポートを提出してプレゼンをする機会がありました。

今回は、そこでまとめた内容の一部を公開したいと思います。

■2019/1/12追記:ファンベースの書評をまとめました!
【書評・要約】ファンベース:支持され、愛され、長く売れ続けるために

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コミュニティの重要性

マーケティング部門やプロモーション部門などの方は、新規顧客獲得や、顧客獲得コスト(CPA)をいかに抑えるか、という点ばかりに目が行きがちだと思いますが、そうではなく「自社製品・サービスを愛して使い続けてくれる顧客」をどうやって作っていくか?が重要だと思っています。

コホート分析とユーザー定着率の重要性についてで、ユーザー定着率の重要性を書きましたが、ユーザーの定着率があがることで、ユーザー母数が積み上がっていき、サービスの継続的な成長につながります。


複利の力が働くため、将来的に大きな差になる。

「上位20%顧客の顧客で全体の80%の売上を支えている」という20:80の法則もありますし、
グロースハックの入門書であり名著の「いちばんやさしいグロースハックの教本」でも、「手前のクリック率ではなく、3日後・7日後の残存ユーザーが多い広告クリエイティブこそ”勝ちパターン”と判断すべき」といったことが言われており、ファンを作りリピート顧客を増やすことがいかに重要かがわかると思います。

そういった点から見ても自走するコミュニティを構築することは大きな意義があります。

コミュニティデザインの参考書籍

まずは前回の記事でもお伝えしましたが、今回のレポートを作成するにあたって、コミュニティデザイン・コミュニティマーケティングに関する書籍を参考にしました。

コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる

コミュニティデザイン・コミュニティマーケティングについて学ぼうと思ったときに、最も最初に手にとった本がこの「コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる」です。

自走するコミュニティをどう作っていったか?の具体的な事例(主に行政、地域自治体)を紹介してくれる良書です。入門したい方は、まずこちらを呼んで、「うまく行ったコミュニティ」について学んでみるのはいかがでしょうか?

ファンベース

コミュニティやファンをどのように作っていくか?を学ぶためにうってつけの本がこちらの「ファンベース」です。

元電通のプランナーとして活躍されていた佐藤尚之さんの書籍です。冒頭にもあげましたが、ファンは売上の大半を支えてくれ、会社やサービスを一緒に伸ばしてくれる存在です。また、ファンが他の人にクチコミで紹介してくれて、新たなファンを作ってくれます。他にもいくつかメリットがありますが、この本もコミュニティと近い部分のテーマになるので、コミュニティマネージャーの方は必読書だと思います。

ネットコミュニティの設計と力

最後に紹介するおすすめ書籍は、「ネットコミュニティの設計と力」です。こちらは、CGMとよばれるユーザー投稿型のwebサービス・スマホアプリなどを作られてきた専門家複数名が共同で執筆した書籍で、インターネットサービスに従事されているかたは必読だと思います。

内容の一部は、以下の記事でも紹介していますのでよろしければどうぞ!
コミュニティ設計・コミュニティマーケティングについて参考になった本・事例

コミュニティデザイン・マーケティングの要点・ポイント

だいぶ前段が長くなってしまいましたが、早速、コミュニティデザインやコミュニティマーケティングの考え方や、設計する時のポイントについてまとめていこうと思います!

サービスへの想い、ビジョンを本気でアツく語る

コミュニティ施策を行うときに、「ユーザーになにかしてほしい、ユーザーの力を借りたい」からコミュニティマーケティングを実施するという考え方であれば、考え直すべきです。

自分たちが、どんな想いでこのサービス・コミュニティを立ち上げていて、どのような世界観をつくりたいのか?という「想い」や「ビジョン」を語らなければユーザーはついてきません。

なお、勘違いしやすい理念とビジョンの違いや、作るポイントについては以下記事にまとめております。
理念とビジョンの違い

オフラインのコミュニケーションは「イベント」が入り口でありメインである

コミュニティのきっかけは、イベントであることがほとんどです。また、初期段階では大きなプロモーションをせずに、知り合い程度の身内から細々と始めて、そこの場で、「どのようなコミュニティをつくっていこうか」と話しながら徐々に人を巻き込んでいくのが良いようです。

イベントには2種類あります。コミュニティの特性に合わせて以下の2種類を使い分けると良いそうです。
・情報を求めているコミュニティ・・・講演、セミナーなどの1:N型のイベントがおすすめ
・交流を求めているコミュニティ・・・飲み会、交流会などのN:N型のイベントがおすすめ

50人超えたぐらいから「サブコミュニティ」をつくる

Amazonでベストセラーにも選ばれている「サピエンス全史」にもありますが、人間が群れ・仲間として認識できる最大人数は150名までです。それ以上超えると統率がなくなり、分離したり崩壊するリスクが高まります。なので、コミュニティがある程度大きくなっていったら、サブコミュニティをつくることをおすすめします。

サブコミュニティとは、そのコミュニティに関するテーマを切り出した特化型コミュニティのようなイメージです。
例えば、ファッション系のコミュニティがあったとすると、「古着」「メンズ」「ユニクロ」などのように、ファッションから更にブレイクダウンした特定テーマに特化したものがサブコミュニティになります。

コミュニティの品質を維持したまま、規模を拡大していくためには、サブコミュニティが欠かせません。

コミュニティマネージャーは、参加者同士の仲介人になるべし

主催者や、コミュニティマネージャーは、参加者が存分に楽しんでくれて、今後もそのコミュニティに率先して参加してもらうように促すことが大切です。そのため、参加者に積極的に絡んだり、気が合いそうな参加者同士をつなげたりと、仲介人のような動きに徹することが重要です。

コミュニティ全体を俯瞰しながら、参加者全員が楽しめるような環境を整備していくことも仕事の1つです。ゴミが落ちていたら拾う、参加者の飲み物が空になっていたら注ぎに行く、などの雑用に近い仕事も率先して実行していく必要があります。

コミュニティマーケティングにおいて大切なことは、「ファン」である

さきほどの、「ファンベース」の話と重複しますが、「コミュニティ」という言葉に隠れて、大切な存在であるはずの「ファン」が隠れてしまうことが往々にしてあるようで、このことを特に強く意識してデザインしていく必要があるそうです。

参加者のほとんどはTakerである

コミュニティマーケティングを考えるときによく、「ユーザーに◯◯をしてもらおう!」と考えがちですが、貢献意識を持っているユーザーはほとんどいません。ほとんどの参加者は、なにか自分に得をするために来た、なにか役に立つ情報が欲しい、など受け身の姿勢であることがほとんどです。

名著「影響力の武器」でも紹介されている「返報性の法則」にあるように、まずは運営側が参加者へGIVEし続けて、コミュニティに参加する価値を感じてもらいましょう。根気よくGIVEし続けていれば、いつかあちらがGIVEしてくれるタイミングがやってきます。

コミュニティ運営を仕事として捉えるならやらないほうがマシ

もしコミュニティ運営をやろうとしている方で、「残業代がもらえないなら、やりたくない」と考えている方がいたら、コミュニティの運営には向いていません。

なぜなら参加者は、あなたのように仕事ではなく、趣味だから、そのテーマが好きだから、時間をわざわざ作って足を運んで来てくれています。

それぐらい熱量の高いユーザーと一緒になにかを創り上げていくためには、自分も大好きすぎてコミュニティをやっているレベルでなければ、参加者の気持ちに共感できませんし、そもそもうまく機能しないはずです。

コミュニティマーケティングは、事業会社じゃないとできない

大手広告代理店や、ネット広告代理店など、広告やプロモーションのプロフェッショナルの方たちは、ぼくたち事業会社のマーケターよりもずっと深いPR・広告に関する知識をもっています。

その中で、事業会社のマーケターが出せる価値・発揮できる強みとしては、ユーザーのことを深く知っていて、サービスや事業に対する想いやビジョンを持っていて、ユーザーと一緒に事業を作っていける点だと思います。

ユーザーと直接連絡を取れて、「この機能どうすか?」と気軽に聞けるのは、サービスの中の人じゃないとできません。なので、僕たちにしかできないことをやるべきだと思います。

関連記事:事業会社と受託会社・コンサル会社の違いについて

さいごに

コミュニティマーケティングについて、知れば知るほど、事業会社は楽しいと思うようになりました。
ぜひみなさんも、コミュニティデザイン・コミュニティマーケティングについて一緒に学んでいきましょう!

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