コホート分析とユーザー定着率の重要性について

事業開発・企画
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webサイトおよびスマホアプリのプロダクトマネージャーおよびグロースハックの見習いをしております。最近、上司からユーザー定着率(リテンションレート)の重要性と、コホート分析の手法について教えてもらったので、振り返りも兼ねて残しておこうと思います。

新規事業立ち上げやグロースハックに参考になった本

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コホート分析とは

コホート分析とは、アプリやサイトに訪れたユーザーをグループに分類して、グループ毎の行動や定着率などを分析する手法です。グロースハックの初期フェーズにおいて特に重要なのは継続率・定着率であると言われており、このコホート分析を活用することによって定着率に影響を与える因子は何か?を特定することができます。

例えば、機能Aを使ったユーザーと、使ったことのないユーザーの2グループに分けて、それぞれの定着率を分析することで、「機能Aを使うと定着率が◯%あがる(仮説)。なので、機能Aを使ってもらうためのアプリ内メッセージをポップアップで表示しよう(施策案)」などのように、サービスのグロースに寄与することが可能です。

ちなみに、コホート(cohort)とは「共通した因子を持ち、観察対象となる集団・群」という意味です。先程の例ですと、機能Aと使った/使ってないというのが共通した因子にあたり、「機能Aを使ったことのあるグループ」と「機能Aを使ったことのないグループ」の2つの違いを分析することで、因子による影響を分析できます。

コホート分析に限りませんが、グロースハック全般を学ぶのに役立った本たちを以下に紹介します。
どの書籍も事例が豊富に掲載されている点が、とても良かったです。

ユーザー定着率の重要性

コホート分析では、どの因子がユーザー定着に影響するかを特定することができますが、そもそも、どうしてユーザー定着率が重要なのでしょうか?それは、リテンション・ユーザーの定着率があがることで、ユーザー母数が積み上がっていき、サービスの継続的な成長につながるためです。

イメージが湧くように、具体的な数字を見てみましょう。
10000人がインストールしているアプリで翌月の継続率が20%のものと、継続率が50%のものを比較してみましょう。

上記の表から翌月定着率が30ポイント違うと、半年後の残存ユーザー数が約100倍も変わることが見て取れると思います。グラフで見ても、大きな違いがあることがわかります。緑色が翌月定着率20%の場合、オレンジ色が翌月定着率50%の場合です。

「スタートアップ初期は、リテンションレート(定着率)に注力しろ」と、よく上司から言われておりますが、ユーザーの定着率が数%変わるだけで、数カ月後・数年後には大きな差となってきます。

また、一度獲得したユーザーが定着しないということは、常に新規ユーザーの獲得が必要になります。そのためには、広告宣伝費を大量に投下するなどのマーケティング費用を増加させる必要があり、グロースするためにより多くのコストがかかってしまいます。新規顧客獲得にかかるコストは、既存顧客の定着にかかるコストの5倍ほどかかるというデータ(1:5の法則とも呼ばれています)もあるため、既存ユーザーの維持は非常に重要です。

ちなみに、ソーシャルゲーム業界では、翌月定着率は30%程度が一般的な値のようですね。

コホート分析が簡単にできるツール

さいごに、コホート分析が簡単にできるツールを紹介しておきます。どちらも無料〜利用できるため、気軽に試せるかと思います。

Google Analytics

Google Analyticsでは、簡単にコホート分析をすることができます。まだベータ版での提供となりますが、設定できる項目は主に4つあり、「コホートの種類」「コホートのサイズ」「指標」「期間」です。

コホートの種類

コホートの種類というのが、記事冒頭で述べた「因子」にあたります。Google Analyticsの現状提供されている機能は、「最初に集客した日付」のみとなります。利用した機能別のコホートはまだ選択できないようですね。

コホートのサイズ

コホート分析の期間を選択できます。日別、週別、月別の3種類があります。
DAUを重視するメディアサイトなどであれば日別、週一ぐらいで使ってほしいアプリであれば週別、MAUを見れば十分なアプリであれば月別の期間を設定すると良いと思います。

指標

様々な指標を設定できますが、定着率(リテンションレートとも言います)を表しているのは「維持率」なので、それを設定しておけばよいでしょう。

期間

コホートのサイズに応じて設定できる期間が変わります。

Mixpanel

Mixpanelは、シリコンバレーでも多くの企業が導入しているアクセス解析ツールです。UberやAirbnbなどのユニコーン企業も利用しているみたいですよ!「いちばんやさしいグロースハックの教本」でも紹介されていました。

Mixpanelのいいところは、詳細な分析が行える点にあります(しかも少ない工数で!)。

Google Analyticsでは、個別に打った施策がどう効いたのかというところまで追うことができないのですが、Mixpanelを利用すれば、Google Analyticsよりもより詳細なアプリやサイト行動分析をすることができます。なぜなら、GoogleAnalyticsはviewベースですが、mixpanelはイベントベースでの計測だからです。

そのため、ユーザーがどの画面をどのぐらい見たか?だけではなく、どのように行動したかのイベントを計測することができます。

プロダクトマネジメント・グロースハックにおすすめの本

最後に、プロダクトマネジメントや、グロースハックを学ぶ際に参考になった本を紹介します!

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