イシューアナリシス(イシュー分析)について

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前回、「問題の定義こそ一番重要ではないかという話」で、問題を見極めることこそが最も重要だと言う話をしました。では、具体的にどうすれば本質的な問題を特定できるのか?ということで、イシューアナリシス(イシュー分析)の手法を事例を交えて紹介します。

某スタートアップ企業が実際に創業期に作成したイシューツリーの具体的な事例が下記の動画で紹介されています。この動画に限らず、こちらのチャンネルではスタートアップやプロダクトマネジメントについてかなり有益なコンテンツを発信しているので、必見ですよ!

動画はこちら:https://youtu.be/O87bjYfYpsk

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そもそも、「イシュー」ってなんだっけ?

イシューアナリシスに入る前に、「そもそも、イシューってなんだっけ?」というところを確認したいと思います。イシューといえば、名著『イシューからはじめよ』が超有名ですね。事業開発や経営戦略などに携わっている人でまだ読んでいない人がいたら、必読だと思います。「新卒・新社会人3年間で100冊以上の本を読んだ僕のおすすめ本まとめ」でも取り上げています。

イシューとは、本質的な論点・課題であり、答えを出すべき問いのことです。自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さが高ければ高いほど、「イシュー度が高い」などと表現します。

イシュー度の低い「なんちゃってイシュー」に対して、いくらアクションを起こしても、本質的な問題解決にはつながりません。それでは、よいイシューとはどういうものでしょうか?

よいイシューの3条件

よいイシューは以下の3つの条件を満たします。

1.本質的な選択肢である(結果を左右する問い)
選択によって、結果に大きな影響が出る問いであること。わかりやすい例でいえば、売上を上げるためには「客数増加」なのか「単価向上」なのか、のように答えによって施策および結果に大きな影響を与える問い。

2.深い仮説がある(鋭い洞察・インサイト)
誰でも思いつくようなありがちな仮説ではなく、観察を繰り替えすことなどで発見できる「自分にしかわからない」ようなインサイトから導かれた深い仮説であること。例えば、常識を疑っていたり、新たな構造で説明したり。

参考:【書評・要約】Running Lean ―実践リーンスタートアップ

3.答えが出せる(アクションにつながる)
ちゃんとその問いに対して答えが出せるかどうか。ビジネスでいえば、自社の技術やリソースで実現できるのかどうか。実現できない問いはいくら考えても意味がない。つまり、アクションにつながることが大事。

イシューアナリシス(イシュー分析)とは?

それでは、イシューアナリシスの解説に入ります。イシューアナリシスとは、解くべき問いを明確にするために行う分析のことで、ツリー構図にして表現されるものです。「イシュー分析」とか「なぜなぜ分析」「ルート構造分析」と呼ばれることもあります。

具体的なアウトプットとしては、下記のようなイメージです。左側におおきなイシューが記載されており、右側に分解したサブイシューが記載されて、構造化されているのがわかると思います。また、Solutionの列には、施策が記載されており、どのイシューと紐付いた施策なのか?がはっきりと分かるのが特徴です。
(さきほどの動画より引用)

出典:https://youtu.be/O87bjYfYpsk
出典:https://youtu.be/O87bjYfYpsk

イシューアナリシスのメリット

このイシューの分析を行うメリットは、大きく3つあります。

1.施策との紐付けが見える化されるので、ムダ撃ちがなくなる
↑の写真をみれば分かりますが、大きなイシューからサブイシューに分解され、それぞれのサブイシューに対して施策を当てていきます。そのため、最終的に「この施策で解決する問題はなんなのか」が可視化されるため、ありがちな「これってなんのためにやってるんだっけ」という目的が曖昧な施策がなくなります。

2.構造化されているため、関係者に説明がしやすい(合意を得やすい)
上記と同じ理由で、問題と施策が構造化されて整理されているため、関係者に説明をしやすく、納得感が得やすくなります。

3.最初に作っておくと、あとから常に立ち戻る指針になる
事業を推進していくと、目的などがブレてしまいがちですが、イシューアナリシスを最初にちゃんと実施していれば、後から立ち戻れる「地図」 になってくれます。
イシューアナリシスによって、イシューと施策を可視化することで、上記のようなメリットがあります。かなり頭を使う作業ですが、一度作っておけば、その後のプロジェクト推進がスムーズになるので、ぜひ試してみてください。

イシューアナリシスの作成手順

続いて、どんな手順でイシューを分析していけば良いのか?を紹介します。アウトプットする場所としては、エクセルやGoogleSpreadsheetなどを利用します。ただ、メンテ性を考慮すると、実務で使う場合はGoogleSpreadsheetを使うのが良いかなと思います。

1.一番左にメインイシューを記載
まずは、大きなイシュー一番左の列に記載していきます。いわゆるロジックツリーのように、最上位の問題は1つだけにする必要はないと思います。

前述の動画のように、その事業でよく用いられるファネルを使うなどが良いと思います。例えば、AARRRモデルのフレームワークを使うのも良いと思います。他にも、客数、単価、頻度、などで分けても良いかもしれません。

2.それぞれのイシューをサブイシューに分解
それぞれのメインイシューをサブイシューに分割していきます。ここではMECEになるように気をつけますが、実際には「漏れなく」である必要はないような気もします。

3.サブイシューをサブイシュー2に分解
さきほど分割したサブイシューを、さらに分解します。ここまでくれば、ある程度具体的なイシューに落とし込めているため、解決策を当てやすいです。

4.サブイシュー2に対して、施策(打ち手)を出しまくる それぞれのサブイシュー2に対して、解決策を当て込んでいきます。1つのサブイシューに対して、施策を何個紐付けてもOKです。

また、施策が一番左のビッグイシューとつながっているか?をきちんと確認することがポイントです。

5.優先順位をつける(イシュー、解決策、のそれぞれ)
続いて、優先順をつけていきます。ここで重要なのは、「イシュー」「サブイシュー」に優先順位をつけた上で、実施する解決策の優先順位を決めていきます。なぜなら、結局はサブイシューが小さい場合も、結果に対するインパクトが小さくなってしまうためです。

6.施策をひたすら実行していく
そして、優先順位が決まったら、ひたすら施策を実行していき、結果を分析してPDCAをまわしていきます。

さいごに

本日は「イシューアナリシス(イシュー分析)」について紹介しました。自分も実務でよく原因分析のツリーを作って、施策との対応表を作成していますが、合意形成を図る際にも使えるのでかなり強力なツールだと思います。

イシューについてもっと詳しく学びたい場合は、『イシューからはじめよ』を呼んでくださいね。


そして、試しに作って、実務などで利用してみてください!
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