この記事では、ビジネスパーソンにとって「文章を書く力(文章力)」が重要になった背景や、良い文章の定義を説明した上で、良い文章を書くための技術を紹介します。
特に参考になった本は、1981年に出版された名著『理科系の作文技術』です。マンガ版の『まんがでわかる 理科系の作文技術』も読みやすくてオススメです。
良い文章とはなにか
まず、良い文章の定義を確認します。良い文章とは、例えば下記の特徴があります。・読み手が負担なく読める文章
・読んだときに頭にスッと入ってきて、すぐに理解できる文章
・読んだ後になるほど!と思い、行動につながる文章
なぜ良い文章を書くことが重要なのか
良い文章とはなにかが分かったところで、次に、なぜビジネスシーンにおいて良い文章を書く必要があるのか?について考えていきます。主に3つの理由があります。人を動かすため
1つ目の理由は、「人を動かす」ため。言い換えれば、文章を通じて組織を正しい方向へ導くためです。口頭だけでコミュニケーションを済ませるとラクに感じますが、それは自分がいないと仕事が回らない=再現性が無いということになります。
また、口頭だけで済ませると間違った情報だけが1人歩きするリスクが高いです。まるで伝言ゲームのように驚くほど内容が変わって伝わってしまうこともあります。
会社はすべて文章で作られている
そもそも会社の活動のほとんどは文章で規定されています。例えば、会社設立に必要な定款や規定、戦略資料、企画書、プレスリリース、営業資料、など、文章だらけです。なので、良い文章を書けない=仕事ができないといっても過言ではないと思います。
リモートワーク化でドキュメントの重要性が増した
さらに、新型コロナウイルスによってリモートワークが一般化したことで、これまで口頭で済まされていた軽い確認をオンライン上で行う必要が出てきました。もちろん、電話会議などは口頭ベースですが、毎回電話会議をしてたら効率が上がりません。そのため、ウィズコロナの時代においてドキュメントを残す重要性が以前より増したという背景があります。良い文章を書く技術
良い文章を書く必要性が認識できたところで、具体的にどうすれば良い文章を書くことができるのか?について見ていきましょう。「心構え」と「技術」の2つに分けて説明していきます。心構え
まずは文章を書くときの心構えを確認します。抽象的な内容で恐縮ですが、心構えとして頭に留めておく必要があります。必要なこと”だけ”を漏れなく記述し、必要ないことは書かない
まずは「伝えるべきこと”だけ”を書く」を徹底してください。裏を返せば、「必要ないことは一切書かない」ということでもあります。文章や資料を作ると、あれもこれも伝えたいとなってしまいがちです。特に調査や分析をして新しい気づきがあったら書きたくなりがちです。ただし、不必要な情報は読み手を混乱させるだけです。そもそもこの文章で伝えたいことが整理できていれば、それに沿った情報だけを論理的に並べていけば良いということです。
一文、一文に執念を持つ
次に、「自分の書いた文のすべてに執念をもつ」ことが大切です。適当に書いた一文があることで、一気に読み手の意欲を削ぐことになりかねません。執念を持たずに書くぐらいなら、何も書いてないほうがマシです。技術
心構えが確認できたところで、次に、具体的にどうすれば良い文章を書くことができるようになるのか?という技術やテクニックを紹介します。何を言いたいのか? 書く前に目標規定文をつくる
文章を書くとなると、さっそく頭から書き始めたくなりますが、そこはグッと堪えます。まず、文章を書きはじめる前に、「目標規定文」を作りましょう。目標規定文とは、自分が何を目標としてその文章を書くのか?何を主張したいのか?を1つの文章に要約したものです。
例えば、この記事を書く前に作成した目標規定文は下記です。
この記事では、ビジネスパーソンにとって「文章を書く力(文章力)」が重要になった背景や、良い文章の定義を説明した上で、良い文章を書くための技術を紹介します。「誰に、なにを、伝えるための文章なのか」という要素が入っていると良いと思います。これを最初に書いておくことで、文章を書いている途中で迷ったときにも立ち返れるし、余計な脱線を防ぐことができます。
文章の構成をつくる
目標規定文ができたら、「構成」を作ります。まだ、本文は書きません。本文を書き始める前に、その文章の全体の構成を考えます。例えば、今回の記事だと、下記のように、まずは文章の骨組みを先に考えて論理構成を確認します。
・記事タイトル
・大見出し
・小見出し
内容と根拠
・小見出し
内容と根拠
・小見出し
内容と根拠
・大見出し
文章構成のときに意識すること
文章の構成をつくるときに意識することは下記のとおりです。・大事なことを先に書く
・全体から細部へ入る
・必要な項目を落とさない
・各段階にトピックセンテンスを含める
・同じ階層には、同じ格(サイズ)の要素を並べること
文は短く、明確に書く
ここが自分は特に勉強になりました。どうしても冗長な表現になりがちなのですが、文は可能な限り短く、短く、と意識すること。テクニックとしては、下記があります。
・文章はなるべく短くする
・接続詞はなるべく使わずに、文を分割する
・形容詞や副詞は避ける(例:とても、ゆっくりと、しばらく、など)
・不要な言葉はすべて消す
読み直しと校閲、校正をする
文章を書いたら、最後は読み直しと校閲、校正です。ここでは、自分の書いたものを厳しくチェックします。例えば、最初に定義した目標規定文との齟齬が無いか、論理的な矛盾が無いか、冗長な表現が無いか、などを入念に確認します。
さいごに
この記事では、ビジネスパーソンにとって「文章を書く力(文章力)」が重要になった背景や、良い文章の定義を説明した上で、良い文章を書くための技術を紹介しました。自分もまだまだ文章力が不足しているため、分かりづらい部分があったかもしれません。こうやってブログを書いていくことで、少しずつでも文章力を鍛えていければ良いなと思います。
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