「もう、読んだつもりにならない」
「記憶に残っていないということは、(中略)、その読書は何の役にも立っていないのと同じこと」
自分は新卒・新社会人3年間で100冊以上の本を読んだ僕のおすすめ本まとめや、【新規事業成功への必読本!】新規事業立ち上げに関するおすすめ本まとめでも公開しているとおり、
書籍によるインプットを学生時代から継続的におこなってきました。
しかし、読んだ本で得た知識をきちんと仕事という実践の場で使えているか?
と聞かれると、自身を持って「はい」とは言えない状態でした。
そんな中、冒頭であげた言葉(もう、読んだつもりにならない)について書かれている、
「読んだら忘れない読書術」を書店で見かけて、
即・購入してしまいました。
このブログを読まれているみなさんは、
書籍によるインプットは行っていますか?
また、その時に、読んだことで得た知識をきちんと
仕事などの実践の場で活用できているでしょうか?
今回は、読書をより意味のあるものにしてくれるためのノウハウが詰まった本である、
「読んだら忘れない読書術」で参考になった部分を中心に、
書評としてブログに要点をまとめてみたいと思います。
読書における課題と目指す水準について
まずはじめに、自分も陥ってしまった、「読書における課題」を説明した後に、
読書をすることで、どんな状態を目指すべきなのか、という「目指す水準」について、
説明していきたいと思います!
読書によるインプットでありがちな課題
まずは、読書によるインプットをする際に、よくありがちな課題を見ていきたいのですが、
例えば、以下のような課題があると思います。
- 「その本の感想を教えてください」と聞かれても、すぐに答えられない
- 本に何が書かれていたのか、内容を思い出せない
- ちゃんと本を読んだはずなのに、具体的な感想を答えられない
そういった課題を自分も抱えていました。
昨日読んだはずの本の内容を、思い出せないことが多く、
他の人に話したいんだけど、うまく自分の言葉で説明ができない。。。
そんな悩みを抱えておりましたが、
「多読が大事」「点と点が線につながる時が来る」という言葉もよく聞くため、
あまり深くは気にせずに、ひたすらインプットだけを繰り返す時期がありました。
「読書の質」を保つために目指すべき水準
それでは、具体的に、読書をしたあとに、
どんな状態になっていれば、「正しいインプットができた」と言えるのでしょうか?
本書によると、「本を読んだ」の定義は、以下の2つを満たしている必要があると書かれています。
- ①本の内容を説明できる
- ②本の内容について議論ができる
要は、本に何が書かれていたのか?という要点を自分の言葉で説明できて、
さらに、その本の内容について、他の人と議論できるレベルになっている必要があるということです。
ちなみに、議論ができるレベルというのは、
ランチや飲み会などの雑談のときに、10分〜20分程度、
その本についてみんなで盛り上がることが出来るといった状態です。
その本に書かれていることは当然人に説明できるとして、
さらに、その内容について、自分なりの考えや意見を持っているレベルになる必要があります。
よくある「速読術」について
上記のように、一冊の本について、①内容を説明できて、しかも、②他の人と議論できるレベルになるためには、
いわゆる速読のような、高速で読書をする方法をしていると達成が難しいです。
もちろん、速く読めるのに越したことはありませんが、具体的にアウトプットできる知識、つまり「使える知識」として身につかないと意味がありません。
まずは、一冊の本に時間をかけても良いから、目指す水準である、①内容を説明できて、②議論もできる状態に持っていくことが大切です。
そういった「読書の質」を担保できるようになってから、徐々に読むスピード・読む量を増やすのがおすすめであると、著者は主張しています。
ネット情報と本の違い
若干、話はそれますが、日々スマートフォンで収集できる、ネット情報についてはどうでしょうか。
個人的には、ネットに転がっている情報は、最新性という面では優れていますが、物事を体系的に知るには書籍という媒体のほうが優れていると思っています。
なぜなら、
* ネット情報は「断片化された情報」
であるのに対して、
* 書籍は、物事の全体像を体系化してある
ためです。
「知識の整理棚」と自分は呼んでいるのですが、
全体像を体系化して、頭にストックしていくための棚をまず、頭の中に作るべきだと考えています。
そうすれば、ネット情報などの断片化された情報も、どの棚にしまえば良いのかすぐに理解できて、
学習効率も上がると思っています。
教科書7回読みなどの手法もありますが、
自分も国家試験であるITパスポート試験を受験した際には、
まずはじめに、教科書を3回読んで、頭の中に、全体像を入れ込み、
その後の過去問で入ってくる断片化された情報を整理するための棚をまず作ったことで、9割の得点をGETできました。
ITパスポート試験を独学で合格した勉強方法〜9割以上の得点をGET〜
本の内容を使える知識として身につける方法
ここまでで、読書におけるよくある課題と、そもそも読書後にどの程度までなっていればよいのか、について述べてきました。
ここからは、実際に、①本の内容を他人に説明できて、②本について他人と10-20分以上は議論できる、というレベルに持っていくためには、どうすればよいのか?について書いていきます。
記憶のメカニズム
具体的なインプット方法のノウハウの前に、まずは人間の脳における記憶のメカニズムについて確認していきましょう。
人間が物事を記憶するための性質は、主に2種類あります。
- A・何度も利用される情報=重要な情報であり、記憶しやすい
- B・心が動いた出来事は忘れづらい
の2つです。
本記事では、Aに関しての具体的な方法を次で見ていきたいと思います。
(Bに関しては、ぜひ本書を手にとって読んでみてください!)
何度も利用する方法
A・「何度も利用される情報=重要な情報であり、記憶しやすい」という脳の性質について、
具体的にどのような方法で実現していけばよいのか?を説明していきます。
脳科学研究によると、「最初のインプットから、7〜10日以内に、3〜4回のアウトプットを行う」ことが、
最も効果的な記憶方法であると裏付けられているようです。
ひとことで言うと、
「1週間以内に3回以上アウトプットする」
ということです。
1週間で3回以上アウトプットする方法
では、本を読んでから、1週間以内に、どんなアウトプットをすれば良いのでしょうか?
具体的な方法としては、例えば、以下のような手段があります。
- 本を読みながら、メモを取る。マーカーを引く。
- 本の内容を人に話す。本を人に勧める。
- 本の感想や気付き、名言などをSNSにつぶやく。
- 本の書評やレビューを、ブログやメルマガで投稿する。
などが具体的なアウトプット方法として、本書でおすすめされています。
これらのアウトプット方法のうち、1週間以内に、3つ以上実施すれば、概ね、①その内容を理解して、②人と議論できるレベルになると言われています。
ちなみに、個人的な課題としては、
SNSやブログなどによる文章作成は得意なのですが、
プレゼンテーションや会議中などでの直接的な会話でのアウトプットは苦手という認識をしています。
なので、自分自身の場合だと、
最低限、SNSやブログで投稿することはもちろんですが、
ランチタイムで同僚や先輩後輩に、最近読んだ本の内容を話したりして、
アウトプットする機会を意識的に作っていこうかなと思います。
アウトプット時の留意点
最後に、具体的に、アウトプットする際の留意点として、
自分がこの本を読んでいて、特にハッとなった部分に関して、
自戒を込めて、特に重要だと感じた点を3点、「アウトプット時の留意点」としてまとめました。
具体的に深掘りをする
先程述べたアウトプットについてですが、単に、「面白かった」「すごく勉強になった」などという、抽象的な表現だけで説明することはおすすめできません。
具体的に、「どこがためになったのか」「その知識を自分は今後どこで活かすのか」といった、具体的な説明を心がけることで、より自分自身の理解を深めることができるので、意識的に、「それって具体的に、どういうことなのか?」を考えて説明する必要があります。
複数の切り口から多面的に見る
1つの側面から深く掘るだけでもアウトプットの質としては弱く、複数の切り口から多面的に、説明することも重要です。
また、1人ではなく、複数の人に、2回・3回と話すこともおすすめです。それによって、自分が考えていなかった視点での質問をもらえて、より理解が深まると思います。
本を一冊まるまるカバーしなくても良い
最後に、1冊の本を読んだ時でも、すべての内容をカバーする必要は無いと思います。
例えば、書籍を書評ブログとして人に紹介する際や、日常会話の中で本の内容を紹介するときも、
特に重要だと思った部分だけを紹介すればOKです。
特に重要だと思った部分を、「具体的に深掘りをして」「複数の切り口から多面的に」紹介することで、
ネットニュースなどでは得られない深い話ができます。
結果として、自分のアウトプットのトレーニングにもなりますし、
それを聞いた人にとっても他では得られないような良質なインプットになるため、喜ばれるのではないでしょうか。
最後に
以上、「読んだら忘れない読書術」について、
本の内容および、自分が感じたことや考えたことを書評記事として紹介してみました。
自分と同じような課題を持っている方には、ぜひおすすめしたい書籍です。
よろしければ、手にとってみてください。
また、読書術やインプットについて書かれているその他のおすすめ本も合わせて紹介し、記事を終わります。
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